映画刀剣乱舞の感想

最初からクライマックス!

アクション満載、涙あり、笑いありのエンターテイメント。一本の映画としての完成度が高い!こんな本丸もあるのかも…。

 

 

まず、鑑賞した人間の立ち位置について、少しだけ話をさせてください。

原作ゲームプレイ中(2015年から2年間は特に熱が込もっていた)、アニメは活撃と花丸視聴、舞台などはノータッチ。2.5次元は特に苦手で無いものの(ニコ動で見るテニミュとかは大好きです)関心が薄く、映画の実写版刀剣乱舞は見るべきか正直迷っていました。でも、推し刀のへし切長谷部が出ているし、公開初日からの評判も良いようだし…。見に行く以外の選択肢が無くなりましたね。長くなった!本題の感想に入ります。当然ながらネタバレあり。

 

 

 

冒頭の

物が語るから物語り

で、ああ…これは実写だけど間違い無く「刀剣乱舞」の世界なんだと。ゲームをプレイしている審神者ならまずここで引き込まれると思います。刀剣乱舞初見の方も、流れるナレーション(大塚明夫さんだった!)のシンプルかつ理解しやすい説明によって物語に入り込んでいけるはず。

 

さて、今作のメイン刀剣男士は三日月宗近です!(近侍的な意味でも)

三日月宗近といえば、ゲーム中やアニメの花丸・活撃でよく「じじい」を自称している(実際千歳越えてるので間違いでは無い)太刀の刀剣男士。刀剣乱舞というコンテンツの顔でもあります。つねに他の刀剣男士たちから一歩引いて物事を見ているような、ミステリアスさが魅力のキャラクターかなぁ…(刀剣としては非常に美しい天下五剣が一振り。昨年京博で初めて見ましたが本当に美しい刀です。ゲーム中ではステータスが優秀で頼れる存在!)と私的には思っていました。

が、今作の映画刀剣乱舞で一つ目覚めさせられました。胸中にこれだけの熱さ、そして優しさを秘めていたのか…三日月おじいちゃん…と。「かっこいい…(感嘆)」と言わざるを得なかった。

審神者三日月宗近の関係(絆)がとても良かったですね。審神者は男性・ご老体の身で、すっかりおじいちゃん同士の会話になっていたけども。もしかしたら長い年月を経てこうなっていったのかも知れない(終盤の審神者代替わりを見て、ほぼ確信に変わった)。二人のやり取りだけでこの本丸のドラマが感じ取れてしまい、涙がぼろぼろと零れ落ちました。これ打ってる今も思い出して泣いてる。 

 

今作で三日月宗近が取る行動には不可解なものがいくつかあり、仲間の刀剣男士たちもその真意を測りかねます。何と無くこうかな…と予想していたけど、きちんと回収されたことには安心。織田信長との対決シーンで行き交った両者の強い想い。私はここで一番三日月宗近に泣かされた。どの歴史が正しいかなんて今の時代本当に知る人間はいないので、三日月宗近が導いた歴史の線も、また絶対有り得ないとは言えないのかも知れない。…けど歴史にはやはり「点」が必要で、それだけはズレちゃいけない事だよなと改めて思いました。毎年何かしら新史料発見で教科書改訂も結構されていたりするんですがね。話がずれました。

 

織田信長暗殺を刀剣男士たちが命じられる事前予告を見ていたので、私はてっきり今作は織田刀の誰かが苦しんで苦しんで信長に手を掛け…!とか、そういう展開を予想していたのですが、違った。彼らは刀剣男士としてすでにきちんと成長していて、どこかしら不安定なキャラクターイメージがあった不動くん(私の本丸には昨年末まで彼がいなかった(難民)ため、アニメ花丸などからの印象です。真実異なっていたら陳謝)も、織田信長が本能寺で死ぬ運命を受け止めていました。

近侍で今作の主役である三日月宗近をみんな最後までしっかり支えてくれたなぁ…。私的には、重症になりながらも独り奮戦する三日月宗近を最初に助けたのが作戦で意見を違えてしまったへし切長谷部だったことが嬉しかった。三日月おじいちゃんと長谷部さん、二人の相性をこれまで考えたことは無く。マイペースとキビキビでは確かに日常の相性はあまり良くないかもなぁ…と、今作のあるシーンで思ったりしました。

また、活撃に続いて(花丸もそうだったかな?)新人男士役だった骨喰藤四郎ことばみちゃん。三日月宗近が主役なので彼の目醒めはそこまで鮮明はものではなかったけど、きちんと気付きを得ていてこれまた安心。それにしても右左もわからぬだろう新人なのに、仲間の男士たちにバレずにアレソレやり通したばみちゃんはすごいよ…。クールビューティ<新人感は確かにあったけど。まだ見ぬ骨喰藤四郎に会えたなと思いました。

 

以下、語り切れていない各登場人物(刀剣男士)などについて。

 

織田信長

カリスマオーラ抜群。時間遡行軍を支配下に置いていても違和感が無いぞ。魔王だからな!役者の山本さんは大河ドラマ新選組!の頃に知って以来ずっと好きなんですが、最期まで、これでこそ信長…という演じ方をされていたように思います。今作ではサルにしてやられちゃうわけですが、三日月と安土城天守閣に登ったシーンでは(この信長なら秀吉が裏切っていようと引き込んでまた盛り直すんじゃ…)と思わされました。

 

豊臣秀吉

約束されし天下人。まさに戦国の世の武将だったなぁ。信長の死の報せを受けてからの一連のアクション~空を仰いでヘイヴンするシーンと、へし切長谷部日本号に不意打ちかましたお風呂サービスシーンは痺れました。焼けた安土城に焼けず遺された薬研藤四郎をお包みするシーンも…本来の胸の内をちょっと知りたくなった。

 

へし切長谷部

この長谷部さんは主にしばらく会えなかったり心配で心配で仕方無くても過度な行動には出ない、良識的で(悪い意味でなく)お行儀の良い長谷部さんなのだ。何かと突っ走るシーンはあるけど、作戦についての対立は三日月おじいちゃんの態度や言い方も良くなかったと思うし、この長谷部さんには超いい人にしか見えない日本号さんという理解者もいる。主関係は読めないところもあるけど、恵まれた環境にいるようで良かった。まんばくんとも仲よさそうで、私の本丸と近いところもありそうだなと思いました。安定のかっこよさ。終盤の重症三日月おじいちゃんを支えるシーンはお約束展開だけどたまらん。

 

日本号

ザ・いい人。保護者。大人のムードメーカーとは彼のような人のことをいう。呑んだくれポジションは不動くんにちょっとだけ譲り気味。槍を扱う一挙手一投足がかっこよかった…。ゲーム中のセリフ「足元がお留守だぜ」ありがとうございます!ありがとうございます…! 秀吉に対して(長谷部さんを使いつつ)有り得ない言い訳をかまして乗り切るシーンは、まず笑わずにはいられない。

 

・不動行光

成長枠と予想していたが極にならずとも成長していた男士…! 短刀ならではの素早く小回りの効いた戦い方、薬研くんもそうだけどかっこいいなぁ…。終盤に鶯丸と本丸を防衛するシーンが激アツだった。あと私深読みし過ぎたんですが、無銘について。時間遡行軍側に堕ちた不動くんじゃないか…? と。結果、全然違いましたね(笑)。もし同じ深読みをした人がいたらこっそり教えてください。

 

・鶯丸

留守居役。ちなみにうちの本丸では遠征組。鍛刀するも中々来てくれず加入が遅れたのもありますが、連度をもっと上げたくなりました(まだうちの本丸の話)。彼が今作における一歩引いたところから仲間たちを見守る役割で、ほぼ見事に徹していましたね。彼にとって主は…? 少し気になるところでしたが、言わずとも会わずとも信頼しているんだろうな。

 

・薬研藤四郎

薬研くんはどのメディアミックスにおいても基本根っこがぶれない、そこがいい。今作においても、思うところはあっても主の命である限り従う。骨喰藤四郎のことを気にかける兄弟思いな一面もセリフやシーンでよく伝わりました。河原で傷を癒すシーンが私的に良かったです。脚の美しさにも目がいってしまいました。

 

・山姥切国広

今作では彼の劣等感について触れるシーンやセリフが無かった気がする。語る必要が無かったのかもしれない。まんばくん、この主の初期刀では無さそうかな…?「主と直接言葉を交わせずとも…」というセリフから彼の主への信頼が伝わりました。太刀筋に加えて鞘の扱い方がかっこよかった。

 

・無銘

敵方で超~気になった彼の存在。時間遡行軍は刀剣男士を変質させることもできるのか?そもそも原作ゲーム中の時間遡行(いつも斬り倒しているエネミー)がどういう存在なのか…など、謎はいまだ山積みなのだが。無銘、その正体は……短刀・倶利伽羅江ってまだゲーム中に実装されてないよね…?

 

・代替わりした主

主の代替わりだと!? 新たに現れたのは幼い女の子。転生?それとも全く新しい人間?でもそんな疑問はともかく、無事に代替わり出来て良かったね…。ラストシーンは激しく和み+涙が溢れました。

 

ひとまずここまで。

涙で見えなくなりかけたシーンがあったし、パンフ売り切れだったのも買いたいし、出来ればもう1回見に行きたいな。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

ほぼ勢いで書き上げたので追記するかも知れません。